今回はこれから個人事業主としてビジネスを始める方に向けて、最初に提出しておくべき書類と書き方、注意事項についてまとめました。「個人事業の開業・廃業等届出書」と「青色申告承認申請書」、「個人事業開始等申告書」の3つについて説明しています。
「職業」として活動するために必要な書類
皆様はこれまで何かの申込み用紙やアンケートを書く際に「職業」のところで迷ったり、本当は「自営業」や「フリーランス」と書きたい!と思ったことはないですか。正式に個人事業主になるには何だか手続きが大変そうなイメージがありますが、実は税務署に「個人事業の開業・廃業届出書」の紙を1枚を出すだけで個人事業主になれるのです。
今回はその「個人事業の開業・廃業届出書」と、一緒に提出する方も多い「青色申告承認申請書」の書き方について以下にまとめました。また、住んでいる自治体によって名称や用紙が違うのですが「個人事業開始等申告書」についても最後に記載しました。
個人事業の開業・廃業等届出書とは
個人事業の開業・廃業届とは、その名称のとおり新しく何か事業をはじめたときや、事業用の事務所・事業所を新設、増設、移転、廃止したとき、または事業を廃止したときに提出するものです。これを提出することによって、確定申告時期になると申告書が送られてくることになります。提出期限は事業を始めた日から1ヶ月以内です。
提出する際に手数料などはかからず、届けに記載して捺印を押し、提出するだけです。税務署で用紙をもらって記入することもできますし、国税庁のホームページからダウンロードすることも可能です。コピーした控えも持っていけば、税務署で控印を押してもらってビジネス用の口座を開くときなどの提出書類に使えます。1枚しか提出しないと控えはもらえません。提出先の税務署はこちら(国税局の所在地及び管轄区域)から調べることが可能です。
なんと、私は税務署に着いて30秒で提出できました。「色々突っ込んで聞かれたらどうしよう」「受け取ってもらえなかったらどうしよう」と心配していたので拍子抜けしてしまい「これでおしまいですか?」と聞いてしまったほど簡単に終わりました。
直接出しに行くのは勇気がいる、税務署に行くのは気が引ける…という方も、その場ですぐ控えももらえますし手続きも直ぐなので、ぜひ行動してみてください。
個人事業の開業届を出すメリット
- ビジネス用の口座が開設できる
- 青色申告を始められる(節税できる)
- 社会的信用を得られる
個人事業の開業届を出すデメリット
- 配偶者控除や扶養控除が受けられなくなる
- 失業保険がもらえなくなる
個人事業の開業・廃業届出書の書き方
以下に書き方の一例を載せましたので、ご自身で書く際に参考になさってください。
青色申告承認申請書とは
個人事業の開業届を出すメリットの1つとして「青色申告を始められる」をあげました。そのためにはこの青色申告承認申請書を提出する必要があるので、開業届を出す際に一緒に提出するといいでしょう。個人事業を開業して、青色申告の申請書を出すと、最大で65万円の控除を受けることができます。青色申告の方法や節税については、また別の機会にまとめたいと思います。
青色申告承認申請書の書き方
青色申告承認申請書も国税庁のホームページからダウンロードできます。
記入の一例を載せましたので、参考になさってください。
「個人事業開始等申告書」について
上記の2つに加え、個人事業を始めた際に提出する書類でもう1つ「個人事業開始等申告書」というのがあり、こちらは各都道府県税事務所に提出する必要があります。ただ、事業によっては課税されなかったり、「個人事業開始等申告書」という名称が都道府県によって異なり、用紙も違ったりするようなので、お住いの県税事務所などに確認をして手続きを行ってください。
「個人事業の開業・廃業等届出書」と「事業開始等申告書」の違い
- 個人事業開業届…管轄の税務署に提出→所得税・消費税などの国税を収めるために必要
- 事業開始等申告書…都道府県の税事務所に提出→個人事業税(※)を地方税として収めるために必要
※個人事業税とは…事業を行う場合、様々な行政サービスを受けているために、その行政経費の一部を個人で事業を行う人に負担してもらうという趣旨から課税されるもの
まとめ
「開業のための書類」と聞くと随分面倒な感じもしますが、やってみると意外と簡単で、受理されればアナタも「個人事業主」の仲間入りです。正式に個人事業主になったことで、さらにご自身の仕事に責任を持って取り組むことができたり、やる気がアップしたりする方もいらっしゃるのではないでしょうか。「副業」や「趣味」として細々とやってきたけど「ここは更に一歩踏み出して成長したい」という方はぜひ申請をご検討されてはと思います。
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