「ダサい」のはなぜ?東京五輪観光ボランティア・ユニフォームのデザインや色、変更騒動について思うこと

発表当初から「ダサい」と批判を受け、この程小池知事も「躊躇なく変えていきたい」と宣言した東京オリンピック、観光ボランティアのユニフォーム騒動を見ながら、デザインにおける「色」の大切さについて書きたいと思います。

観光ボランティアのユニフォームってどんなの?

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デザインしたのは誰?

渦中のユニフォームをデザインしたのは藤江珠希さんというデザイナーさんです。世界トップレベルの美術学校でテキスタイルデザインなどを学び、ご自身のブランドも立ち上げています。とってもオシャレなブランドですよ。

ウェブサイト:TAMAKI FUJIE

募集コンペを勝ち抜いて選ばれた作品

色々とデザイナーさんに批判が集中していますが、この作品は東京都が声をかけた若手デザイナー10人の応募デザインの中から審査会で選ばれた作品です。審査会には東京都の役人やボランティア従事者、ファッション専門家などがいて、少なくともそのときに集まった作品の中で「1番」良かったこの作品を選び、さらに審査会の要望に従ってデザインの修正もしたのに、デザイナーさんがこれだけ批判を受けるのは気の毒…。ちなみに最終的には7名の中から舛添前都知事が決めたそうです。

東京五輪の構想を練っている側の人間がいる審査会が、その時点でユニフォームの色やデザインが「東京オリンピック」に合っていない、と気づかなかったことの方が致命的だと思いますが。

ユニフォーム変更騒動について

このユニフォームは昨年6月にお披露目され (その時から批判は殺到していたそうですが)、すでに3,000万円ほどをかけて4種類4,000着ほどが作られて観光ボランティアの方々が着用しているそうです。

11月18日の定例記者会見での小池知事の発言

  • 申し訳ないが、色もバラバラ
  • 「これを着たいからボランティアになる」という話は聞いていない
  • 躊躇なく変えていきたい
  • より研ぎ澄まして、都民が着たいものにすることが東京のPRになる
  • 観光などPRのあり方を検討する「東京ブランドのあり方検討会」を発足させる

11月25日の「東京ブランドのあり方検討会」第1回での出席者の発言

  • 中学生の孫に聞いたら「ダサいから着たくない」と即座に言われた(日本旅行業協会・田川博乙会長)
  • 単にボランティアの人が着ると「ピエロ」みたいになってしまう、それでは意味がない、オヤジ感覚で物を選んではダメ(ファッションデザイナー・コシノヒロコさん)
  • オリンピックを契機に多種多様なユニフォームが出てきて、歌舞伎町のネオンみたいにどれがどれだかわからないくらいにチャラチャラしたものになってしまう(武蔵野美術大学・長澤忠徳学長)
  • 統一感が全然ないと思った、東京ブランドの顔になる、老若男女たくさんの方が着るので統一感がほしい(ファッションジャーナリスト・生駒芳子さん)

皆さん厳しいですね!しかも、暗にユニフォーム以外の事も批判している気が…。

小池知事はこの検討会で「ボランティアのユニフォームと東京オリンピックのキャッチフレーズロゴアイコンにおいて、統一感を出してやっていきたい」と述べていました。

ユニフォームの色やデザインはどうするべき?

小池知事がおっしゃっているように、統一感は絶対に必要だと思います。

誰から見ても「日本の東京」らしさが伝わる色を使い、すでに決まっているエンブレムのデザインや雰囲気とも統一感も持たせてほしいです。

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「ダサい」のはなぜ?

すでに指摘があることも含め、こんな感じではないでしょうか。

  • 色んな色を使いすぎている
  • デザインが複雑すぎる
  • 統一感がない
  • 日本や東京らしさが万人には伝わらない

国民全員から賞賛されるデザインをするのは、誰でも無理ですが。

過去の五輪ボランティアのユニフォームは?

2012年ロンドン五輪のボランティアユニフォーム

観光ボランティアのユニフォーム

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こちらのマゼンタ&パープルのユニフォームも公開したときは英国民からブーイングが来たそうですが、ちゃんとコンセプトに基づいています。

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  • オリンピックのロゴをベースにしたデザイン
  • マゼンタ→ロンドン五輪のオフィシャルカラーの1色で目立つ色
  • 大会会場の標識にも使われた色

確かに、観光ボランティアが着るものなので「目立つ、見つけやすい色」と言うのは大事ですね。でも着たら「ピエロみたい」とかは勘弁してほしいです…。

ちなみに小池知事はこちら↓の紫と赤のロンドン五輪のボランティアユニフォームをモデルにしたいとコシノヒロコさんに話していたそうです。

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イギリスの伝統や文化を反映した色とガード(兵隊さん)の制服にも影響されたデザインだそうです。

2016年リオ五輪のボランティアユニフォーム

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ブラジルのリオデジャネイロオリンピックのボランティアユニフォームも大会ロゴやブラジル国旗の色・デザインを反映した緑と黄色がベースでした。

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シンプルがやっぱり良いですよね。

まとめ

  • 東京五輪・観光ボランティアのユニフォームは変更予定で調整中
  • 「統一感がない」という批判が有識者会議でも相次いだ
  • 小池知事はユニフォームを含め、東京ブランドのあり方を有識者と検討中

小池知事はユニフォームのことだけではなく、問題が山積みだと思いますが頑張って欲しいです。応援しています!