『和ガラス』『びいどろ(ビードロ)』『ぎやまん』などの意味や特徴についてまとめました。
和ガラスってどんなもの?
『びいどろ』『ぎやまん』とは?
「びいどろ」や「和ガラス」という言葉は聞いたことがありますが、一体どんなものなのでしょうか。
江戸時代から明治時代前期の日本製のガラス-和ガラスはポルトガル語でガラスを意味する「びいどろ」と総称されています。
鉛を多く含む中国の製法を起源としたびいどろは、17世紀後期の長崎で製作がはじまったと考えられています。
また、「ギヤマン」はダイヤモンドを意味するポルトガル語を語源とし、ヨーロッパ製のガラス製品の呼称でしたが、文化文政期以降は切子を施した和ガラスなどもこの名で呼ばれるようになりました。
ー神戸市立博物館名品選 「和ガラスのきらめき」より引用 (2013年長崎歴史文化博物館で開催)
- 江戸時代から明治時代前期の日本製のガラス=和ガラス=びいどろ
- ヨーロッパ製のガラス製品=ギヤマン(意味:ダイヤモンド)→切子を施した和ガラス
確かに江戸切子などをみると、ダイヤモンドのようですね。
江戸切子とは?
江戸切子とは、江戸末期に現在の東京で始まったカットグラス工法のガラス工芸 / 細工のことです。
ガラスに施される模様が着物にも見られるような和の文様であるのも江戸切子の特徴です。
(江戸切子の店華硝の公式インスタグラムから引用)
職人さんの手によって作られた形や繊細な模様がとても美しいですね。
和ガラスの特徴
江戸時代や明治時代前期にルーツを持った和ガラスの特徴は、宙吹き(ちゅうぶき)による曲線の美しい形や、江戸切子のように手で彫られた繊細で美しい模様などがあります。
宙吹きによる和ガラス作品
和製切子の作品
参考文献・画像引用元:長崎歴史文化博物館ウェブサイト
長崎歴史文化博物館によると「和ガラスには『日本で作られた』ということの他に『おだやか』『のどか』という温かみのある意味があり、デザインや手触りも特有の魅力がある」そうです。
現在、長崎歴史文化博物館や神戸市立博物館で、和ガラスの常設展は行われていないようですが、滋賀県のMIHO MUSEUMで3月18日(土)~6月18日(日)まで和ガラスの春季特別展が行われます。
このコレクションに美術品を出展している「瓶泥舎びいどろ・ぎやまん・ガラス美術館」は、愛媛県松山市にある予約制の美術館です。
和ガラスの技術や伝統は、これからもずっと引き継がれていって欲しいですね。
まとめ
- 和ガラスとは、江戸時代から明治時代前期の日本製のガラスで『びいどろ』とも呼ばれる
- 『ぎやまん』とは、もともとヨーロッパ製のガラス製品の呼称で、切子を施した和ガラスにも使われるようになった
- 和ガラスは形や模様だけでなく、独特の手触りも特徴の1つ
『びいどろ』も『ぎやまん』もポルトガル語から来ているそうなので、長崎と和ガラスは深い関わりがあったんですね。